electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2006年07月


昨日か一昨日のこと。
心なしか心細い月が出ていて、魔法使いが現れそうな夜。
月は鏡像なんだって。気持ちが投影されるんだって。じゃあ、俺は今心なしか心細いきらきらのこころを持っているんでしょうね。
本当は、見えてるものすべてが本物じゃないかもしれない。2割くらい幻覚なのかもしれない。見極める必要はあるし、そうなるには成長が必要なのかもしれない。そうだとしても、今はいいや、実像も虚像もひっくるめていっしょにあそぼう。
あそぼう。
どのみちそのうち影も形も拭われていくのは一緒だ。いっしょにあそぼう。あそぼう。
酩酊したまんまであそぼう。くるくるまわろう。
どうだろう。果たして上手に酔えていて上手に踊れているのでしょうか。

くるくる。くるくる。

磨いて磨いて月光よりもきらきらさせる水性インクの尺鉄。赤錆まみれの尺鉄。やめない。やめるわけにいかない。一行進めるだけでも苦しい時もある。たまにげろげろはいてる。やめない。やめるわけにはいかない。

その尺鉄は扱いを間違えると己の喉元を手首を切断してしまう。

そのリスクのせいでのた打ち回ってるんだけど、それがなきゃ続ける意味もないし。
普段は穏やかにつとめているつもりだこれでも。
にこにこへらへらのやさしいやさおとこだ。

そんなパブリックイメージでも敢えて言わせてもらうとすれば阿久津編集長の言葉だ。









丸腰で来たら撃ち殺すぞ













切符を買ったときに出てきたおつりの十円玉が思いのほか冷たかったのでびっくりした。思わず頬にあててみたがすぐにぬるくなった。何より、表面積が小さかった。

中国人女性がすごい剣幕で電話していた。あまりに声が大きかったのでホームにいる人たちの注目を浴びていた。俺の隣にいる男性は指をさして笑っていた。「失礼なやつだな…」と思いながらその男性を横目に見ていると、その男性は連れの人間に「まじで滑稽だぜ」みたいな事を言っていた。中国語で。お前もかーい。しばらくして女性の電話が終わった。恋人との別れ話でもしていたのだろうか、憔悴して、萎れた表情を浮かべていた。女性のその表情が持つ特有のやるせなさには国籍など関係ないのだと知った。

自動改札機に引っかかって一機死んだ(気がする)。
無意識に切符を折ってしまったせいだ。
だから7UPを買った。つまり6機得した。


若さゆえに、いつだって体のどこかは不健康だ。
完璧に上手な呼吸ができるようになる日はいつ来るっていうんだ。
吸って吸って吐いて吐いて日は上り落ち折り返し地点。
希求するものがいっぱいありすぎて魚の体が千切れてしまいそうだけどそれだけ貪欲になれるって言うのはしあわせなことだ。

早起きしてターバンを頭に巻きながらそう思った。



なつばてしちゃったかもしれない。どうしようなかなかだるい。
確かに不摂生が続いているのでいたしかたないが、どうにもつらいよう。

こんにちわ。甘えん坊モードの岡崎です。

深夜、タバコを買いに行こうと外に出る。
夜道でも人気は若干あって、男性とすれ違う。
女性とすれ違う。カップルとすれ違う。親子連れとすれ違う。
若者たちとすれ違う。猫とすれ違う。男性とすれ違う。

と、この時点で不安になった。

同じ方向に歩いている奴がいない。

俺だけ時代の流れを逆行している気がした。
とても悲しくなっていたら、追い討ちをかけるようにセッタの鼻緒が切れた。
裸足でひょこひょこ帰った。

しかし、どうにもだるいなあ。どうにも怠惰で自堕落です。
ちょっとがんばります。


最近読んだ本。



げんげと蛙


自立日記


百年目の青空


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草野心平は昔から好き、句点打ちすぎだけど。子供向けの詩集だが100円で買えた。宮沢賢治と草野心平と高村光太郎は仲良しだったと聞く。もしかしたら、三人で天体観測にでも出かけたのかしら、光太郎のお弁当は智恵子がつくったから不細工なおにぎりで、中にはキムチが入っている。それを見た草野が「お前は今日から『高村キムチ太郎』だ!」なんて言ってげらげら笑う。賢治はもしかしたら自らの農園で栽培したマリファナを持ってきたかもしれない。みんなでブリブリにきまって満天の星空を見ながら口々に言う。

「わたしというげんしょうはゆうきこうりゅうでんとうのひとつのあおいしょうめいです」
「ぼくのまえにみちはない。ぼくのうしろにみちはできる。」
「ぎゃろわっぎゃわろっぎゃわろろろろりっ」

そんなことがあったかどうかは記録には残っていないが、なんとも素敵な三人だと思う。

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それにつけても辛酸なめ子。ひどい日記だな。
これくらいデリカシーもくそもないひどい日記が書けたら女性としては無敵だな。

おとこのこになりたい。

Sが泣いていた。
恋人でもないのに手をつないで帰る。なぜ彼女がそう言ってきたのかは全然わからない。てのひらには不思議な治癒能力があるのはあるらしいが。
そもそもSがなんで泣き出したのかすら知らないのだ。
結局、彼女は家の前まで何も答えなかった。

誰かの力になりたいなんて、おこがましいにもほどがあるんじゃないか。
この腕はそのためには細すぎるんじゃないか。
そして、おとこのこならただ黙れ。黙って言うとおりにしていればいいんだ。
それができないのは、だめだろ。

Sは理由もいわず泣きまくった。
別れてから、電車を待つホームで理由はわからないけれどなみだがでた。
理由はわからないけれどなみだがでまくった。

だめだ、だめだ。
おとこのこになりたい。



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