electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2006年10月

稽古場から帰る折、バスに乗った。隣の座席にやらしい格好をした女が座った。その女の肢は漆黒のミニスカアトからにょきにょきと生えていて、車内の照明に照られて妙にてかてかとしている。噛み付きたい衝動が沸き起こる。思えば、稽古場において噛み付きたいものといえば栄之進のケツくらいしかないのだ。狼の血はいいかげん滾っているのだ。はあ、いかんなあ。

 秋葉原には「ツンデレ喫茶」なるものがあって、店員の委員長がぞんざいに邪険に扱ってくれた上に甘えてもくれるそうだ。公演終わったらいこう。打ち合わせという打ち合わせをそこで済ますことにしよう。俺は時東ぁみとか、かなり好きだ。

 スペースノイドはつまり、活動休止も活動のひとつってことで。休止しているうちに作品を作るか、結婚でもするか、逮捕されるかくらいのことをしよう。

 池袋の深夜の西口には至る所にアジア系風俗嬢が佇んでいて、もう長いことその誘いを断り続けていたら今じゃ誰も声をかけてこなくなった。それはそれで寂しい。複雑な俺の乙女心だ。俺の心は蠍でいっぱいだ。


巷じゃ風邪がはやっているそうで。あちらこちらでみんなひいてるなぁ。風邪のときは玉子酒と相場が決まっていように。

以前書いた作品で、どうしても「風邪」がちょっとした物語の鍵だったので、物語の最中ずっと風邪引いている女の子が、後半近くに飲んだ玉子酒一発で治るっていうシーンを挿入したことがあるが、つまり何が言いたいかって言うと、それくらい玉子酒の効能を信じているのだ。くそまずいんだけど。

病気はそういや、楽しかったな。
学校休めていいとも見れたし。公然とぐうたらしてられたし。何より安心して病床にいられた気もする。今じゃそんな余裕もない。今月頭に体調を崩してその日は一日中伏せっていたが、どうにも落ち着かず、かといって何もできず、不安感だけに頭を苛まされた。変わってしまった。なんだか残念だ。

ところで、もう一度超能力が使えるようになりたい。
子供の頃は、使えるものなんだと思う。記憶は曖昧だけれどいつだって俺は伝説の勇者だったし、(たまにフェルトペンで書いた紋章も浮かび上がっていたし)頑張れば、我流でもメラやヒャドやイオくらいだったら使ってたし、瞬間移動とかもできてたはずだったし、絶対いつかこの世の中には暗雲が立ち込めるから、その時は俺が救う気持ちもあった。今じゃあれだ。伝説の勇者どころか無名の演劇人だ。この差異。ギャップ。GAP。畜生。この年齢でそんなことを平然と言い出したらそれこそ気の毒な目で見られてしまうだろうに。けれど、いつかまた使いたいな、超能力。いつか救いたいな、世界。

また今日も深夜番組見ながら寝るんだろうけど。


早く起きた。溜まっていた洗濯をした。
何回やっても大好きだね、洗濯。「憩」ですね。まじで。
洗剤のにおいと柔軟材(魂のソフラン)のにおいで何度だってやわらかくなれる。洗濯中は部屋にきつい香を焚いておく。あと、眠気を覚ます為のコーヒーとしつこい味のタバコ。日向。完璧。誰にも邪魔はさせない。この40分間は俺以外の誰のものでもない。邪魔するやつは洗濯してやる。

午後、稽古場へ。
「白日鼠」を機に活動休止となるわけだが、此処で中途半端なライブをしたらそれこそ休止できないので、必死。目標は観客の中に笑い死にが出ること。殺されに来てほしい。皆殺しだ。皆殺し。頑張って殺すから。次は(当分)無いんさ。かっちりここを布石として固めんといけんのさ。「脳みそ腐ってる」って言葉が最高の褒め言葉になるなんて偏差値70オーバーの生徒会副会長だった俺には想像できなかったが、要は、そういうこと。

明日も洗濯できたらいいな。溜まってなかったら柔軟剤の匂いを吸って吐いてしよう。これは法には触れないよね?


秋雨土砂降りざあざあ降りにジーパンの裾はぐっしょぐしょになった。毎年この時期はいつもそうなのに未だに慣れないでいる。一生かけても慣れないものはあるようだ。一生かけても為れないものがあるように。何度拭おうとも纏わりついてしまう湿度はもう友達なんだと思うことにしよう。
1年振りにピアスなんぞをつけてみたらガラスの十代に戻った気がした。かといって、十代に戻りたいかっていったらそうでもないのだけれど。稽古に向かう西武線の窓には今日も狼狽している己の鏡像が映る。ラッシュに混雑した車内は噎せ返っている。読書する雰囲気もない。もう、いい年なのだ。成長しようと思ったときが成長期なのだと最近は思う。変わりたいと思えれば変われるだろうに、要は、想像力の問題なのだ。欠如しているというなら肉や野菜や魚をいっぱい食べよう。そんなお金もないならバイト。いい加減、もういい年なのだ。変わるには遅すぎるくらいだ。
糞には為りたくない。ゴミには為りたくない。それならお前は何になるんだ、と、水を吸いまくったジーパンの裾が言う。分からないけど、俺は俺にすら未だ為れていないんじゃないか、そんな風に思う。

スペースノイドは「白日鼠」を機に無期限活動休止に入るということが決定。

課題は山積。積載量を超えそう。
冬の支度もはじめなきゃならないし洗濯物もまた溜まりはじめた。結論へと逸る気持ちや、或いはどこにも辿り着けないで苛立つ気持ちの理由は単純に秋雨だったりする。ジーパンの裾をぐっしょぐしょにする秋雨の所為だったりする。

自分自身があやふやで怪しい状態を「怪我」と言うことにした。
俺文科省の決定。
ここ一年近く怪我な状態だ。4から6月くらい治ってた。
怪我の症状はわかりやすい。「声が小さくなる」だ。
声高にものしゃべれる日は再び来るのであろうか。
いや、きっとくるさ。

大事なものは真心と勇気。ほかにない。
真心のサプリメント頂戴。
勇気のサプリメント頂戴。

季節は冬に為ろうとしてる。
どうしようもなく忙しくなりそうだ。


先ずは10月21日
スペースノイド・サロン
於 石神井公園ララ

そして11月03−05日
スペースノイドライブ「白日鼠」
於 銀座MAKOTOシアター

さらに01月12日〜14日
ニセ劇団第4回公演
「反面サラリーマン」
於 中野ウエストエンド

そうして02月23−25
少女感電舞台
「怪我(仮)」
於 阿佐谷某所


磨いて磨いて磨いて
月光よりもピカピカするために
負けたくはないのだ
負けてなんかいられないのだ


「11時に高井戸集合 防寒具用意」

というメール。釣りに行かないかと誘われたが、釣りのことは何も知らない。高井戸で釣りができる場所があるのかしらん。などと思いながら約束の場所に行くと栄之進がいる。

「何処で釣りするの?」
「沼津らしいよ。」

程なくして企画主宰者のOみさんとKみさんが来る。本格的に磯釣りらしい。というより何より釣り人生初体験の期待と不安で胸躍る。東京より二時間くらい高速を飛ばす。道中ガン寝。高速を抜けて目を覚ますとそこは沼津だった。

 車を降りると先ず真っ先に満月が目に入る。
満月の所為で異様に青くなっている。次に目に入ったのは星。オリオン座だけは知ってる。星明かり月明かりに照られて何やら青白い陰に為る。釣れる場所を探す。

 AM2:00頃釣り開始。

右も左もわからないが、どうやら釣りと言うのは竿を持って糸を水面に垂らすらしい。見よう見まねで垂らす。竿についているハンドルをぐるぐる回すと糸が引っ張れるらしい。イソメという分断しても分断しても死なないミミズを使う。

 念仏鯛(通称「金魚」)が釣れまくる。うざったいくらい釣れる。どうやら今回の敵はこいつらしい。如何にこいつを釣らずに行くかが問題だが、釣れちゃうものは仕方ない。釣れないよりかはいいし。
 栄之進がムツを釣る。
 Oみさんが巨大なカサゴを釣る。
 
「魚も人を選ぶのだよ。」

 そういうものなんかもしれない。

 AM5:00頃日の出。

釣り場の背には山があって、山間から光が射しはじめる。
素晴らしい光景なんだけれど念仏鯛しか釣れない。いい加減早く寝ろよう。
日が出ると辺りには人が増えてくる。子共が話しかけてくる。聞けば隣の市から親と来ているという。手伝ってもらって釣りに望むが念仏鯛しか釣れない。

「おじちゃんは何歳?」
「幾つに見えるよ。」
「19」

「オーラの無さを恥じろ!」とOみさんに言われる。
朝になってくると魚も寝ているのか一向に当たりが来ない。隣では手だれのおじさんがたがアジを釣りまくっている。
 釣れない。
 釣れないが、オキアミを垂らし冨士と海と山に囲まれて呆然としていると色々な事を考える。今日以降、何が起こってくんだろう。昨日以前、何をしてきたんだろう。あ、また念仏鯛。

「贅沢な時間の使い方だねえ。」
「道楽だねえ。」

近いような遠い場所でウミネコがミャーミャー言ってる。

 AM11:00頃 魚を焼き始める。

なんでも丸焼き。とにかく丸焼き。カサゴもカワハギもアジも丸焼き。
念仏鯛はあまりに釣れるので海に捨てた。一匹残ってた奴をヒラキにして焼くと、思いのほか旨く、捨てなければよかったと後悔した。カサゴが旨い。アジも旨い。気づいたら、食ってるのは俺だけでOみさんとKみさんは炎天下の中寝ている。栄之進は黙々と釣りを続けてる。

 PM4:00頃 目が覚める。

いつの間にか眠っていたみたいだ。

「寝ているお前の上をフナ虫が這ってたぞ。」

口の中に入られなくて良かった。
目覚ましがてらにやることも勿論、釣り。
べラが釣れた。どうやらあの忌まわしい念仏鯛はこの時間にはいないらしい。今こそ勤しまんと竿を握る。周りには段々誰もいなくなってくる。人気が引きはじめる。太陽が沈みはじめる。水面にたゆたうきらきらの色は白色から黄色を経てオレンジへ、最終的には赤くなって辺りはまた暗くなった。

 ゴンズイが釣れる。
 ゴンズイの髭は毒があるらしい。「毒があるから刺されてみろよ」と言われるが、後日聞いた話ではゴンズイの髭で絶命する人もいるらしい。危ない連中だ。

 PM7:00頃

 夜も更けて、ゴンズイばかりやたら釣れ出す。それしか釣れないので帰ることにする。

 闘いながら憩い。そんな遊びだ。初めての釣りは非常に面白かったが、俺ガ釣ったのは雑魚ばかりだ。「釣り人はヒトデとナマコ釣ってなんぼ」誰が言った言葉かは知らないが、そんな言葉があるとか無いとか。じゃあ、次は外道を釣ろう。
 ぷか、ぷか、ぷかと水面が揺れる音が耳について気持ちいい。帰りの車内でも寝た。ぷか、ぷか、ぷか。ぷか、ぷか、ぷか。きら、きら、ぷか。









夏物衣服をしまうときがきたのだ。
雨だというのにいつも使っているコインランドリーがいっぱいだったので別の場所へ行く。

何度もいうように、洗濯が好きだ。
洗濯が終わるまでの時間が好きだ。
煙草と雪印のコーヒー牛乳は大切な友達だ。
のんびり待つ。ぷかぷか待つ。

洗い上がりはいつもとちがかった。
かなりきれいになってる気がした。
なんでだろう。使ってる水が違うのかな。
とにかくはしゃいだ。
だけど雨なので干せない。
本当は乾燥機にかけるよりかお日様のにおいをいっぱい吸い込ませたいのだ。
少々の残念。


ホットの季節だ。
じゃがりこにお湯いれて食う季節だ。
熱燗でも行きましょう。


GOING UNDER GROUND - Twilight
http://www.youtube.com/watch?v=QHNNy4RF8oo

水溜りをえいやっと飛び越したら穴に嵌った。


スタンレーの魔女無事終了。
よくわからんが「かち」な気がする。
満員御礼。ご来場の皆様ありがとうございました。

花をもらう。
手に余るほどの花をもらう。胸に余るほどの真心ももらう。
真心も花と同じくほおっておいたら枯れるから。ちゃんと扱わないと。俺はロシアの土のようにどうしようもないので、ちゃんと耕さんと。

課題は山積みですよ。若さ故だ。仕方ない。

季節を越える。やっと夏が終わった感じだ。
来るべき冬に備えて料理と散歩をこよなく愛するかわいらしい女の子でもだまくらかしておこうかな。
ほくほくしたいものさ。

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