electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2010年10月

ここ最近の夢日記。
ちゃんと記録していた。

 月曜日。
 夢をみた。

 どうやら俺はバンドを組んでるらしい。
 公園を歩いているとメンバーの一人が殺しにきたので格闘の末殺した。
 スタジオに遅刻した。
 バンドのメンバーにいる何とか先輩はとても恐ろしい。入口ですれ違った先輩に、「すみません遅れました」というと、先輩は「気にすんな」といって外に出ていった。
 しばらくしてブルドーザーで戻ってきて涼しい顔で俺を潰そうとした。必死で逃げたが他のメンバーや店員はまきこまれて死んだ。

 逃げてるうちに後輩のNに会った。
 Nは俺に気持ちいい瞑想を教えてくれるという。いわれるままに瞑想すると確かに気持ちいい。Nが「続けてると射精します」という。是非続けたいと思った。
 すると、Nの先輩が現れて、「続けるには棚のなかのAVを一本選べ」と言う。
 選ぶと「けっ」と言いながら俺をそのAVの中の世界に入れてくれた。

 AVの中の世界には風俗みたいな店があった。店員が、錠剤を飲んでから女を選べと言った。錠剤を服用して女を選んだ。よくわかんない横文字のコースにさせられた。
 選んだ女に連れられて道を歩いた。女がここに入ろうというので蕎麦屋に入ってそばを食べた。
「このコースってなに?」と聞くと「そばを食べたらここでファックしてもいい」みたいなことを言われた。
「まじかよ」
 それは興奮するのか? よくわからなかったけどあまり気がすすまなかった。

 窓の外を見ると、水彩画のようなオレンジの夕景で岩場に父親が腰掛けている。
「いままでたのしかったなあ」とあまりに寂しそうに呟くか手紙をよこしてきたかした。 そういえばこの蕎麦屋は地元にある蕎麦屋だ。父親とよく来た。

 それからなぜか「色んなことがうまくいかなかった」と俺は自分の半生を悔いた。糞みたいに思えた。これからもうまくいかないような気がした。そして、その度にこういういい風景にごまかされていくような気がした。糞人生だ。

 そこで夢から覚めた。
 夢の最後に反芻した「糞人生」という言葉が頭から離れなくてポジティブになれなかったら涙もでた。人の夢に出演して不吉なことをほざいた父親を少しだけ案じた。

* * *

 水曜日。
 夢をみた。

 イベントを開いた。DJにドタキャンしまくられて結局揃ったのは俺とSさんだけだった。Sさんも途中で帰ってしまった。
 客はひとりだったが、そいつがAKBのメンバーらしいのでまあいいかと思った。

 イベントが終わって夕方、会場の庭にいくと、名古屋に住んでいる友人からもらった怪しげな種が怪しげな色のチューリップに育っていた。通りすがった外人が食べたそうにしていたので一緒に花びらをむしってたべた。漬け物みたいな味だった。

 イベント会場は緑のピラミッドの建物で中に入るには壁をよじ登る必要がある。
 難しいことではないが下手すると死ぬ。のぼりすぎて入口を見失った途端すべって落ちた。死んだと思ったらぎりぎり入口のドアにつかまって生きてた。

 会場に戻ると友人の親父がいた。俺はいつのまにか小6くらいになっていて同級生たちとその親父とわいわい遊んだ。おもむろにその輪から抜けて、押し入れの中のエロ本を探し始めた。エロ本を取り出したところを友人の親父に見つかったが、親父は見ないふりをしてくれた。大人だと思った。

 帰り際にその友人の父親は「宿題」と言って方程式をよこしてきた。
 みんなの脳に直接問題をいれてきた。

 x+y=6 のときx^2-y^2はいくつか。

 計算する。
 あれ、これだけじゃ解けないんじゃないかな。

 x^2-y^2=(x+y)(x-y)
 =6(x-y)
 x^2+2xy+y^2=36

 いろいろためしたが無理だ。しかも油断していると数字が勝手にちがう数字になるから数字が動き出したらペンを刺さなくてはいけない。面倒だ。
「夢の中で計算かよ」と呟いた。起きて部屋で計算しようと思ったら目が覚めた。

起きるなり問題に挑んだが普通にこれは無理。「やなことを押しつけてくんじゃねーよ」
夢のなかの自分に苦言を言いたかった。

* * *

 金曜日。
 夢を見た。

 夢の中で肉まんを食うみたいに俺はなんかの錠剤をがっついて食いまくっていてどうやらそれは向精神薬かなんかで、さすがにやばい量だけどもうODで死んでもいいかという気分だった。夢の中で視界が歪む。

 電話が鳴る。現実の世界で鳴っている電話だった。目を覚まして出る。
 会話が終わって切ると同時に猛烈な睡魔がのしかかる。
 そうだ、俺致死量の薬飲んだんだぜ。電話とか出てる場合じゃない。

 夢の中、相変わらず俺は薬を飲みまくってる。一瓶くらい飲んだ。
 観衆がいて、なんだか皆落胆した表情をしている。
 「あーこれ、こういう死刑か。もうだめだ。死ぬな。」

 また現実世界の電話が鳴る。目を覚まして取る。
 死刑囚の死刑執行中に電話かけてくんなよ!
 もうだめだ眠い。だってあんなに薬飲んだんだもの。

てのを繰り返したらいつの間にか目が覚めていた。
死刑が終わって少し安心した。

* * *

 土曜日。
 夢らしきものを見た。

 自分の身体の中に筒があって、その筒が麝香でいっぱいに満ちていく。
 それが映像だったか感覚だったかは思い出せない。極端に抽象的だったがいい夢だったんだと思う。
 
 醒めるのがちょっと早かったかもしれない。
 起き抜けのタバコを吸いながら少しだけ残念な気分になったが、夢を惜しんでも虚しいだけだ。

* * *

 現実の現実味も、日が経てば?がれていく。三日もすれば夢と違わない。
 昨日を夢にして今日を暮らす。それはなんだか寂しいような気もする。
 夢酔の残滓を手繰って、何度となくそこに行けたらいいのに。

小さな頃から見えない力で
あたしを強くさせるあの小さなじゅもん
たくさんの傷と争う夜にも
抱きしめるたびにいつも震えて響く

JUDY AND MARY 「小さな頃から」



松本引越センターのCMでさ
「松本引越センターです」って従業員が名乗ったあとになんていってんの?あれ
小さな頃から疑問だわ。

あとあれ営業電話だよね。うぜーわ。

「誘宵」第二夜でした。
思いつきで鍋を置いたらかなり雑多な感じになりました。
ちょっと窮屈だったかもですがすげー楽しかったです。

「袖振り合うも多生の縁」ってことばいいよね。
「多生の縁」であって「多少の縁」じゃない点ね。
見知らぬ人と袖が触れ合う程度の些細なこともまたは振り合うような間柄も、前世からの因縁に依るものである。どんな小さな事、ちょっとした人との交渉も、全て深い宿縁に基づくものである。

規模としてはかなりちいさいイベントだけど、それ故に袖振りあわずに移動できない。
まあ今後もやるんで知らない人どうしでも仲良く語らえばいいと思います。
規模拡大とか、収益性とか考えないで、「なんか酔っ払った人たちが苦情が来ない程度にわいわいできる日」、素敵。今後も続けていきたいとおもいます。多生の縁を感じちゃってくれたらさいわいです。

DJのみなさまお疲れ様でした。
来場してくれた皆さんもありがとう!だいすき!
UST見てくれた人もありがとう!

222

鍋開催中。最高に雑多な感じ。



オリジナルラブ「接吻」。自分のときにかけた曲。
「おまえ超たのしそうに曲かけるなー」っていわれた。
たのしかったら自分でかけて自分で踊っちゃうよー。

とりあえずまた次回!

ピアノの音の形容し難い美しさと同じくらい雑音が好きだ。
(ちなみに、中原昌也より渋谷慶一郎のほうが好きだ。この一年はametsubばかり聴いていた。)

やさしい雑音はきいていてあたたかくて気持ちいい。

古いレコードの雑音なんか最高だ。雑音すら演奏の一部かと思うくらいだ。
(ハードオフ行ったらアナログタンテが地獄のように安くてびっくりした。少し購入を考えている。)

殊美しさに於いていうなら

ものは劣化してこそ価値だな
記憶も風化してこその価値だ
気持ちはうごついてこその価値だし
いのちも死に行ってこその価値だな、と
そんな風に思えるのは、いままでにたくさんのものが自分の中から揮発していくたびに、もの悲しさと、それに付随するきらきらしたものを感じてこれたからだと思う。

年齢を重ねるたびに、レコードの音みたいに雑音が混ざっていって、どんどんゆるくなって、優しくなっていけるんならうれしい。
そのためには、もっともっと美しいものを見聞きしたらいいんじゃねーかな。

秋は感傷を伴うけど、なにかときれいな季節よ。
散歩だな。散歩。

約束を当日にぶちられることが最近非常に多い。

昨日は仕事のあとに友人と飯を食いに行く予定だったんだけど「来週かと思ってバイト入れちゃったごめん」みたいなメールが来て「手帳買えよ」って送った。
今日はまた別の友人と昼飯を食う約束してて、いくら待っても全然連絡取れないまま腹すかして結局16時くらいに一人で飯食って、喫茶店で小説打ってたら暗くなった頃に「昨日の夜からずっと仕事でいまだに終わんない」というメールが来た。てめーどんな仕事だよとか思ったけど、仕事ならしょうがないかもしれない。

最近あったひどかったのは「忘れてた」あと「友達の飲み会が入った」ね。
もう後者にいたってはけんか売ってるとしか思えん。

俺の株価がスーパー下落しているのを感じる。
何これ?円高の影響?風水的なもの?
本当にやめてほしい。

つーわけで、まあ他にも色々ぶっちはあったんだけど最高に不機嫌。
ぶちられると今月のぶちられた憤りの全部がフィードバックしてくるから今月は
もう本当に約束自体を入れないほうがいいんじゃないかと思う。

普通になめられてんだと思えて、精神的に腐るわ。

以上、愚痴。機嫌がスーパー悪い状態なので攻撃的なラップ聴きたい。

クラブとかにあるフライヤーが結構好きで、なにが好きかっていうと、あのイベントとかDJの紹介文ね。まじめに書けば書くほどスカスカになるというジレンマがあって。
ためしにネットでイベントを調べてみるといいです。
すげーすかすかなこと書いてあったりします。

だけど、ああゆうDJ紹介文とかは告知として「それっぽい」から書くことにします。
スカスカな文章かかせたらけっこう負けない自信あるんだ。俺。

『 誘 宵 』 第 二 夜



日も暮れきった後
遅々と更ける十月の宵を
音楽でご案内

誘宵(いざよい)

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2010年10月24日(日)
於 千石空房
17時より

席料;無料

DJ;

gogopulse

2000年に3MC+1DJスタイルのHIP HOPユニットを結成しない。音楽活動に携わらないをすることで独自のスタイル確立していく中、2001年「ASIAN PIMP」を結成しない。当然リーダーも務めない。ゆえに多数の音源をリリースしない。またコンピレーションアルバムへの参加や他アーティストへの客演参加もしないし、ソロとして活動しない。また、2006年5月にリリースされたトラック「DAYDREAM」が、ZIP-FMチャート最高位3位を記録しない。この前DJはじめた。

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やさしいおばけ

その活動は多岐に渡り、NUJABES、田中フミヤ、KAGAMI、FPM、細野晴臣、NUMB 等、ジャンルを超越したの数々のアーティストが「やっぱやさしいおばけがいるイベントはひとあじちがうねー」と口を揃えて言う夢を見ると目覚めがいい。

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GISU

HIPHOPを中心にDJとして活動。WAREHOUSE,WOMB,YELLOW,module,AIR,LA FABURIQUE等の都内各所でのコアなパーティからビッグパーティでプレイをしたがっている。ファンキーなリズムとグルーヴィーなMIXで展開されるDJプレイは本人自身の中で好評を得ている。
部屋が壮絶に汚いという苛酷な環境が生み出したプレイスタイルは必見。

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加藤健太郎

湘南を中心にシロアリの駆除活動を展開。「知らないものはもぐり」といわれるほどシロアリ界で恐れられている存在。有名クラブやライブハウスで行われるアンダーグラウンドパーティに潜んだことのあるシロアリも容赦なく駆除する。二次元にしか心を開けないという特異なスタイルで、「けいおん!」や「化物語」や「みつどもえ」などの有名作品に魅了されている。

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katz

工学院大学・機械工学科卒業、機械工学士。江東区・文京区伝統工芸会所属、文京区技能名匠者。ソフトウェア技術者を経て父親の跡を継ぎ現職の万年筆職人に。幼少より万年筆の製造に関わり、その道30年を超える。ヴィンテージ修復に関しては、独モンブラン本社より日本の修理技術者として紹介を受ける事もある。DJとしての腕もすごい。

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http://sengokukubo.com/



いえあ。
こうしてみると克さんのプロフィールがなんかすげえな。

まあ、なんにせよくるといいですよ。

* * *

ちょっといろんなことが懐かしくなってしまった。
大人になってもノスタルジーはついてまわる。
いろんなことが仕方ないし、また納得いかない。
後悔のない人生を送ろうと心掛けているのにそれでも後悔はつきまとう。

湿っぽい文章になりそうなので以下省略。
以下はカラオケの持ち歌。泣きながら熱唱する。



「風待ち」

季節はずれの雨が好きなあなたに悪いけど
晴れた日の空の下でわりとうまくやれてる

たまに会う友達は昔の話ばかり
あの頃見てたものあれもこれも遠すぎて

みんな知らぬ間に時を過ごしたのかなあ
思い描いたとおり?
ちょっと違う
今、夏の香りがしました
涙が出なかったのはそれのせいかなあ

待合わせの人の隙間歩き慣れたけど
あなたなら心の隙間見抜きそうな気がした

目指すもののカタチは少しづつ変わってく
まわりが思うほどじつはそんな器用じゃない

あれ?
いつの間にこんなに疲れたのかなあ
まだいけるつもり
ちょっとはつらい
また花は咲き枯れました
たまにはあなたの顔見れないもんかなあ

街の色に染まって
ときに何も思い出せなくて
今ここに何が足りないのか
わかってない
わかっちゃいない

髪を少し短くした

みんな知らぬ間に時を過ごしてるのかなあ
思い描いたとおり?
だったかなあ
また夏の感じがしました
明日も晴れだったなら会いに行こうかなあ
会いに行こうかなあ
風のせいかなあ




小春日和と呼ぶに相応しい一日。(小春日和って春じゃなくて10〜11月にあるんだよ)
府中本町のホームに陽のはいり方が絶妙で、やっぱりカメラが欲しい。できたら人が撮りたい。

夏コミいったときにお気に入りのトイデジvivicam5050がぶっ壊れたときはスーパー落胆したなあ…。

とりあえず一応値段を見てみた。どうせそのうち買うでしょうし。
デジタル一眼レフの新品は安いのだと35000円くらいからあるな。ちなみにヤフオクで中古をさがすと20000円くらいからある。

ちなみにトイデジは10000円前後。中古のデジイチを買ってデジイチ慣れしてから新品かうってのがよさそうだぞなんとなく。

すみません。
どなたかカメラの選び方をご教示ください。

* * *

大喜利修行会なる怪しげな会に参加して、普通に「実力のある人」の「実力のある回答」の力を見せつけられてきました。

すごいなあ。
評価にはそれ相応の理由がある。
自分に関しては少し反省してます。他の皆さんのレベルの高さにあわあわわってなっていました。
しかし四時間大喜利ざんまいはさすがにハードだ。脳がシュワシュワする。


【お題】

歌丸師匠
「一度でいいから見てみたい」の後に続く言葉(定番のお題)

 俺「小学生男児の排泄」
司会「ド変態じゃねーか」
 俺「……」
司会「ちょっと、さっきから大丈夫ですか?」


心配されてしまった!

シュワシュワすると一番手の届きやすい引き出し「安易な下ネタ、グロネタ」に走ってしまう。未熟すぎる。
ちょっとこの傾向は反省したい。

人によってはその前哨戦からいるらしく、八時間大喜利ざんまいだっていう。
ジャンキーだなあ。

いや、ほんと感服しました。

わいわい飲んでたら終電がなくなったので、埼玉県某市にある友人の家に男3人で宿泊した。彼の家を訪ねるのは5年ぶりくらいだったが、到着してびっくりしたこと。

木に侵食されてる。
要は、床下だか庭だかから生えてきた木が家屋を侵食しているのだ。それだけならまだしも、その生命力がやばすぎて家の塀が倒されそうになっている。っていうか塀に既にひびが入っていて倒壊が近い。

こりゃやべーわ。携帯の充電がきれてなかったら絶対撮影していた。くやしい。

その家は一軒家にしてはそこそこ安い家賃で、彼はそこに一人で暮らしている。うらやましいなとはおもったが入ってまたもびっくりした。最高に汚い。というか足の踏み場がないというわけじゃないのに散らかり方が非常に廃屋っぽい。

床のいたるところに小銭が落ちている。

脳内での会議。
「この散漫な小銭はどういうことだ?」
「もしかしたら、1円玉を辿っていくとトイレに、10円玉を辿っていくと自分の部屋に辿り着ける、そんな道しるべかもしれない」
「ああなるほど!ヘンゼル式かー」
「それなら自宅で迷子にならずに済むTTEoi!」

泊まっておいてなんだけどDISらずにはいられねーよ。
ゴミだしをスーパー怠ってるぞ。というかそういう問題じゃなく掃除という概念が脳からぶっ飛んでるぞ。撮影できてないのが残念でならないけれど。

昨日の日記にも書いたように心の状態は部屋に反映されるという説を俺は結構信じていて、あの部屋で暮らしている友人の精神状態が若干心配だ。

俺は同じ家賃のアパートに住んでいるが、掃除したおかげもあってまあ割りと快適。壁が若干薄いけど、あとひとつ棚ふやしたらもっときれいになるから鍋とかしに来るといいよ。

178046059

昨日は楽しかった。

* * *

ブックマークレットがてらtumblrをはじめました。

http://elegirl.tumblr.com/

 ここ数週間のことがあまりよく分かっていない。

 ふわふわとへらへらと堕落していたように思う。部屋が散らかる一方で、かといって片付けるやる気も起きないまま、呼ばれればふらふら飲みにいったり、家で一人で飲んでたり、怪しげなジャズやエレクトロニカをひたすら聴いてはいた。
 楽しいことも多かったし自分ではそんなつもりもなかったのだが、朝起きると毎日胸糞悪かった。どうやら憂鬱めだったらしい。
 というのも、煙草を吸う量が半端なかった。完全にチェーンスモーカーに戻っていた。部屋がどんどん散らかるし、かといって片付けるやる気も起きない。
 会社にはまじめに行ってまじめに働いていたけど、帰宅するとただの酔っ払った豚だった。

 今日は休日で、朝起きたらまた少し胸糞悪かった。瓶に一杯分だけウイスキーが残っていたのでそれを飲んだ。途端に酔った。そういえば昨日は食事のタイミングを逃してほとんど丸一日何も口にしていなかった。酒と缶詰くらいか。
 ぼけぼけしながら、午前中にこんなきたねー部屋でウイスキー飲んでちゃいかんなー、やだなあーって思った。洗濯物もすごく溜まって、読みたい本を読む気力もないけどPCにかじりついていたら、いつのまにかか酒も抜けてきて昼食を食べた。すごくうまかった。
 先の日記に投稿した小林大悟を聞いて咀嚼した。
 
 漫然とだけど、喪失と獲得ということを考えた。発見と忘却ということも。あと、何年も前に見た美しすぎる風景のことを考えた。頭のなかでそれに「喪失」という言葉を当ててみたら違和感があった。「獲得」も違和感があったけど「喪失」よりはまだましに思えた。
 生きていると、未来の獲得と現在の喪失は同時に行われる。それは当然なんだ。毎日何か獲得し喪失している。
 ちょっと文章の着地点を見失ってしまったけど、とりあえずなんかそのことが自分にとってはなんか新鮮なひらめきで、窓の外は割と天気がよかった。
 そういえばあれほど好きだった散歩も最近行ってないなあと思った。
 
 洗濯をしている時間で部屋を片付けた。掃除もした。換気をして、お香を焚いて換気をしてという作業を繰り返したら良い気分になった。つうか割りと静かで幸せな気分だ。いまならフォトブログでもはじめそうな心持ちだ。

 散歩に行こう。デジカメ壊れちゃったから新しいの買おう。
 活動しよう。

 ※ 活動 … 歩いていて見かけた猫にそれぞれ名前をつけにいくのこと

 夜にはまた黯然としているかもしれないけど、まあそんなもんだよね。いまそういう気持ちになれてることに感謝して、髪乾いたらでかける。

そうとういい。

小林大吾 / 棘 weezers



 固くて四角い建物の谷間をすり抜けたのはうっすらと向こうの空が透けてみえる巨人。
「ああ…なんかでっけえのがいる」と気づいたガキのつぶやき。かたわらには年老いた靴磨き。その指は人の足に耳をかたむける。黄金色銀杏並木の長椅子に腰かける。紳士が目をほそめながら新聞をひろげる。数センチ角の記事を熱心に読みふける

「すいませんちよつと火を貸してもらえませんか」
「目を引く事件はありますか」
「ときどき錯覚したりはしませんか、紙面をいろどる事件の数々がどれもこれも例外なくじぶんに関するものであるとでもいうような」
「そうしてときどき想像したりはしませんか」

「いつだかの些細なあやまちが紙面のすみを控えめに埋めていたとしたら?」

 営団地下鉄エドガー橋駅Al出口でみかけた生まれつき後ろ脚の片方がない猫は、すれちがう4本足を「多すぎやしないか」とふしぎそうに眺める。

 折れた傘の骨にギブス
 水びたしの新聞
 何度も読み返す本に書かれていること
 あわれなのは朽ちて穴のあいた琺瑯の看板
 吹きさらしのトタン
 うろつく蜜蜂

紳士は応える。
「それはたとえばどんなことか? 罪と呼べるものか? あるいはただの傷か?」
「ふむ、そのどちらもです。罪にしても傷にしても、ひとつの物事をこちら側からみるかそれともあちら側からみるか、あるのはおそらくその程度の違いです。」

「うしろめたさを痛みと呼んで差し支えなければ、そういう条件つきではあるけれど」

 それにしてもとかくものが真鍮に映りがちな実りのころだ。枯葉のひしめくU字溝がひどく窮屈そうな列車にもみえる。
 大人びた視点だ! 良くも悪くも。
 屋上に不時着した給水塔の側面に釘でひっかいて描く鳩の足あと。
 それもいい。こんなささやかなところから湧き出した水のように願いが広まっていくのなら。

 あやまちというにはあまりにも拙い。
 けれど、そう思うからこそさいなまれることがままある。
「よく似た人をきのう今日にみかけた」
そんな感傷の凹凸にけつまずいたくらいでおおきく揺さぶられるほうがどうかしている。

紳士は新聞を折りたたんで言う。
「それはかけがえのない時間に対する侮辱じゃあないのか?」

そのとおりだ。反論の余地なんてまるでない。

 いいえと首をふる理由も特にないのに、気を持たせればそれだけで答えが赤く熟す。そうとばかりおもっていたころの話を今さらふりかえることで一体何になるだろう。

 それはかつて至近距離にいた人のなごり
 それでいて今とさほど変わりのないへだたり
 「心中お察しいたします」とある過去からの手紙
 やぶくのも手間だ
 思案に暮れる

 営団地下鉄エドガー橋駅Al出口でみかけた生まれつき後ろ脚の片方がない猫は、すれちがう4本足を「多すぎやしないか」とふしぎそうに眺める。

 折れた傘の骨にギブス
 水びたしの新聞
 何度も読み返す本に書かれていること
 あわれなのは朽ちて穴のあいた琺瑯の看板
 吹きさらしのトタン
 帰りそびれた蜜蜂

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