休日に木漏れ日で乱反射する水面を、白鳥は間抜け面でこちらに見向きもせずに過ぎる。辺りには歓談に耽る人たち、猛然と何かを思い描く人たち。それぞれの内容は知る由もないけれど、こちらも同じ風景の中にいながら、同じ風景を共有している。
永遠を夢見るこころはその時間を引き延ばす。一時間と三時間を、一分と五時間を、一瞬と生涯を、等しく結びつける。そんな集積がこの公園の秒針を少し怠けさせている。こんな休日の風景の中から「こちらにおいでよ」といざないたい人には、心当たりもあって、それはたぶん、幸運とよぶべきだ。
もし来てくれたとしても飲み物くらいしか提供できないのだけれど。とりあえず思いついたことを口先から次々に放ればいい。不可視のシャボン玉の数々が不可視の巨大な球体となって、不可視の雨や光を地上に与えるのだとしたら、そんな空想をきみは笑うだろうか。飽きれるだろうか。もし喜んでくれるなら、秒針はさらに怠惰に。
永遠を夢見たこころが次の時間を光速で進ませる。怠けた作業を回収するかのように、あっという間に過去を遠ざける。辺りが夕暮れの色を湛える頃、晴天の記憶にはもう、手も届かない。余韻を喉元で転がしているうちにも、飴玉のように風景は溶解して揮発していく。悲しいばかりだ。暮れなずむ街に街灯が点る。
はたして白鳥は眠りについただろうか。歓談は飲み屋に持ち越されただろうか。発想は生まれただろうか。風景は散漫しまた新たな風景をつくりながら、東の空の群青の染みを膨らませる。駅前の秒針はそれほど怠惰ではないけれど、何処かで誰かの秒針がまた怠けていることを期待している。
永遠を夢見るこころはその時間を引き延ばす。一時間と三時間を、一分と五時間を、一瞬と生涯を、等しく結びつける。そんな集積がこの公園の秒針を少し怠けさせている。こんな休日の風景の中から「こちらにおいでよ」といざないたい人には、心当たりもあって、それはたぶん、幸運とよぶべきだ。
もし来てくれたとしても飲み物くらいしか提供できないのだけれど。とりあえず思いついたことを口先から次々に放ればいい。不可視のシャボン玉の数々が不可視の巨大な球体となって、不可視の雨や光を地上に与えるのだとしたら、そんな空想をきみは笑うだろうか。飽きれるだろうか。もし喜んでくれるなら、秒針はさらに怠惰に。
永遠を夢見たこころが次の時間を光速で進ませる。怠けた作業を回収するかのように、あっという間に過去を遠ざける。辺りが夕暮れの色を湛える頃、晴天の記憶にはもう、手も届かない。余韻を喉元で転がしているうちにも、飴玉のように風景は溶解して揮発していく。悲しいばかりだ。暮れなずむ街に街灯が点る。
はたして白鳥は眠りについただろうか。歓談は飲み屋に持ち越されただろうか。発想は生まれただろうか。風景は散漫しまた新たな風景をつくりながら、東の空の群青の染みを膨らませる。駅前の秒針はそれほど怠惰ではないけれど、何処かで誰かの秒針がまた怠けていることを期待している。