electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2012年11月

 帰宅途中、明日の予定を考えてみた。やるべきことはいっぱいだ。帰国後もやることは多い。まあひとつひとつやってくしかない。そんなことを考えていると、ふと、辺りが静まり返っていることに気がつく。ひと気はない。来たばかりの六月の頃は、ここの川沿いには夜でも人が多くいて、芝生に腰掛けてビールを飲んでいたはずだ。あーそっか、冬なんだな、と思った。

 ドイツに行くのを決めたのは今年の一月だったから、一年前の今頃、十一月の終わりの頃は自転車でハロワに通い、就職活動にいそしむ退屈な日々だった。毎晩酒を混ぜては悪酔いしていた。部屋の風通しの悪さに具合を悪くした。煙草をやめたりいろいろな試行錯誤をしてみたのだけど、何をやってみても行き先が見えなかった。ぶっちゃけ涙が出た日もあった。
 深夜に聖跡桜ヶ丘の駅前の車道を歩いていたら、今後、なにをやっていこうにも人生を楽しめないような気がした。何をネガティブになってんだ俺はと、ネガティブな考えはいくら振り払おうとしても、つきまとってくる。もしかしたら、悪霊にとりつかれていたのかもしれない。
 静かな夜だった。夜の風呂敷には何ヘクタールかの面積があるとして、その向こう側には朝の風呂敷が広がっていて、その向こう側に、昼、夕、そしてまた夜と、たくさんの風呂敷がこの向こう側に連なっている。その風呂敷のどれもが汚れてる。永遠ともいえるような茫漠な時間がただただ虚しく感じられた。ここではない何処かに行きたい。何処かに行きたいと祈る気持ちだった。しばらく外にいたら寒くて少し凍えて、あーそっか冬なんだな、と思った。

 今日の帰り道は同じくらい静かで、足音がよく響いた。ここに居たい。ここにもっと居たいのにな、って思えた。
 目の前には一年前と同じく茫漠な時間が広がっていたが、それは本当にカラフルなものに思えた。俺の今後の前途多難はきっと素敵な冒険譚だと思った。さて、こっから先はまた冒険だ、立ち向かう勇気はあるか?と右眼の眼窩で誰かが問う。「いけるっしょ」「いけるいける」「問題ねえよ」「余裕だべ」「胸熱」細胞のそこいらが言ってる。ネラーが一人居る。やるべきことはいっぱいだ。なんていうか、にやにやしてしまう。

* * *

 先週末、帰国最後に誘宵やりましたです。本当にいろいろな発見があったし、インスピレーションを得た。
なにより盛況だったのがうれしい。ありがとう。ベルリンで俺と縁のあったみんな、まじでありがとう。

またあそぼう。

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photo by Non matsumoto

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photo by Kamil Frankowicz

音楽のレーベルを運営している。elegirl labelという。
全然毛色はちがうけどDJもやっている。やさしいおばけという。

ベルリンに来て改めて音楽いいなってことを再確認している。
先日、シャ乱Qの「いいわけ」を聞いて歌詞のほとんどをおぼえていた自分に驚いた。(タイトルは失念していた)
聞きながら、なんていうか、ぶちあがった。



アコースティックな音は感動できる。デジタルな音だって感動できる。
踊れようが眠くなろうが感動できる。整然とした音の配列の美しさもあれば、たたきつけた様な騒音雑音の羅列の中にも美しさはある。トラディッショナルな音の楽しさもあれば、商業的な音楽の楽しさだってばかにできたものじゃない。節操がないと言われようが、せめて感受性に関してはフィルターをかけずにいたい。

音楽っていいなーってはじめたレーベルを転がしながら辿り着いたのはやっぱり「音楽っていいなー」だった。
いろいろな国の音楽を聴きながらそれをつくっている人の内面とそいつが暮らしている町のことを思う。
それがほんとに楽しい。続けて行こうじゃないの。

* * *

季節はとうに冬で
その移ろいはきっと
ドーピングきめたベンジョンソンよりはやい
京王線の特急よりはやい
速水って名前の奴よりはやい
早杉って名前の奴よりはやい
そんな名前の知り合いはいない

此処にいたい気持ちも
次の季節に焦がれる気持ちも
どちらもが私なのです
私とは、あいまいな存在なのです
「ウグイス」とか「ニイガタ」の漢字表記よりも
あいまいでおぼろげな私は
遠い異国でおばけを名乗り
歩みの赴く先を時折見失っては
あいもかわらず
さまよっているのですが
星も花も
お酒も音楽も
あるので
なにも心配は要らないのです
へらへらしていられるのです

季節はとうに冬で
その移ろいはきっと
ものすごくはやい
そのものすごさに
ほえーとかふがーとか驚愕しているのが
その時間が
愛おしいのです

ベルリン滞在期間残り15日。

最近は、いろいろある。
いろいろあるのはまあずっとなんだけど、とにもかくにも土産話は多く持ち帰れるんじゃないかと思う。

帰国後はすぐに何処かの温泉地でできれば春までリゾートバイトする予定。
んで、来年6月にまたドイツ行きます。なんて話をすれば鬼が笑うかもしれない。

旅を経て決めたこともいろいろある。
毎日を楽しめてないやつなんて、雑魚だ。
せめてずっとへらへらして生きようと、その点については腹を括ろうとおもった。

* * *

おしらせ

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2012年12月8日
20:00〜5:00

DJ /
Nagumo
highnecken
ののの
加藤健太郎
やさしいおばけ
(more)

LIVE /
chibayu

ENTRANCE FREE

眠れない夜に幽体離脱してブログを書いている。

最近ではびっくりするくらいにベルリンの昼が短くなって午後5時にはけっこう黄昏れてる。
夏の頃のバイタリティが嘘のようになんだか寂しい街並になった気もする。

それでも、たのしいことは探せば転がっていて、昨日はエレクトロスイングのイベントに行った。
生ライブで見るエレクトロスイング(Alice Francis)はんぱない楽しさがあった。

Alice-Francis---St--James-Ballroom


滞在期間はのこり30日。もっともっと楽しもう、全身全霊を使って。

* * *

 現象の一切は幽霊のように透き通る。花の色彩も瞬く間に揮発する。
 善かれ悪しかれ、日々は平等に褪せゆく。そこに留まれば濁るのみ。
 きみやきみやきみたちと同じ速さで、同じ方向に揺蕩うことができたらと、そんな傲慢な願いの行く末は神のみぞ知ること。行先を揺さぶるように季節はまた変わって、俺はまた、きみやきみやきみたちにとっての、やさしいおばけに為るのだろう。それは少し寂しいけれど、それが良いこと。この時間を愛おしいものにする法則。
 全ての乾杯は啓示による。グラスとグラスの間に発生する電子は、きっとどれもが美しい炸裂だ。何百回だって、何千回だってしよう。たとえ忘れたってかまわない。きみやきみやきみたちと、幾つもの言葉を弄んで、共有を繰り返す。それを不毛な作業と捉える奴には、おばけの才能はまるでないな。
 変わりゆくことのすばらしさを、揮発することの尊さを、いなくなることの愛おしさを、識ってる。
 まあ難しいことは後回しにして、乾杯して乾杯して乾杯しよう。朝には忘れるおばけの戯言を一晩中語り尽くす、そんな日々を。

ポーランドのワルシャワに旅に行ってきた。
ベルリン中央駅を5:40に出発、ベルリン・ワルシャワエクスプレスに揺られること6時間。昼過ぎに到着したワルシャワの天気は曇りで、非常に寒かった。
駅前のだだっ広い道とだだっ広い広場、どでかい建物の数々は社会主義時代の名残を感じさせる。建設中のビルが多いのは産業が伸びてきているということだと思う。

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ホテルにチェックインし、近所のレストランへ。
ポーランドはスープが美味しいと聞いていたけれど、スープ、まじでおいしい。ものすごく煮込んである。これまでのスープの概念が覆るくらいびっくりする美味しさだった。
伝統料理のピエロギは焼餃子のようでこれもなかなか、もうひとつ春巻きのようなものをいただいて酒に蜂蜜とハーブをいれたホット赤ワインを。昼食だけで「来てよかった」と思わされた。

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社会主義的な駅前街と対照的に旧市街へ続く道は歴史的建造物が多い。
石像や教会、神殿調の建築が目に入る。95%がカトリック教徒というのも頷けるきれいで趣深い町並み。撮影はしなかったけれど立ち寄った教会もかなり立派なものだった。

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コペルニクス先生

夕暮れ時は非常に冷え込む。ベルリンよりも寒い。
朝早かった所為もあってホテルに戻るや否や眠ってしまった。
酒場やディナーもいろいろ回りたかったけれど、目が覚めた時はもう深夜で、近所のファストフードしか開店しておらず、とりあえずそこでカレーを食べた。これも非常においしかった。

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翌日、ホテルの近所で昼食。かぼちゃスープ。めっちゃうまい。
というか、食文化のレベルが本当に高い。しばらく住んで食道楽したいくらいだ。

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んで、世界遺産である旧市街へ。旧市街は上品で清潔で中世の趣を感じる町並み。
こんな街で暮らせたら、品性が備わると思う。なんというか夢にでてくるようなメルヘンな街。旧市街の外れにある城郭も超かっこいい。建築物の多くに腕のいい職人とか左官屋を感じた。

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ワルシャワ蜂起記念碑

観光地といえど、ワルシャワはそこまで観光産業をプッシュしてこないあたりが好感持てた。すれ違う人の表情も心なしか気高く見える。ポーランド観光局のサイトに「不安になったらポーランド人に話しかけてください」とあるようにみんな本当に親切でびっくりする。今回の旅はそれほど時間は作れなかったけれど、暖かい時期にまた訪れたい。それくらい楽しかった。次はクラクフも行こう。

今回の旅行にアドバイスくれた皆さんありがとう。

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