いつのまに
遠くにきたものだ
いま立つ位置を否定するように

歩みをすすめ 歩をすすめ
目が覚めてみれば
異国の窓 異国の陽の光 異国のがきのわらう声
花町は夢となりました
夢町は思いでとなりました
思いで横丁のまぼろしスナックで
飲んでたお酒も揮発しました

好きなものは多すぎて
嫌いなものにも妥協して
がらくたと、たからものの区別はまたむずかしく
棄てきれない
そんな部屋から こんな場所へ

夏のある晩に寝つけずにいる
真綿と綿埃との区別もまたむずかしく
つつみきれない
そんな夜に こんな部屋から
うたう歌があります
かける曲があります

花街や夢町を思えば
夜はまた明けていくのです
異国の花が開いていく