electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2013年11月

あいかわらずベルリンにいる。いつまでいるのかは決めていない。
もう夜になると氷点下で、外出も億劫だ。
去年に比べて、だいぶ引きこもっているが、在宅しながらも得るものは色々あった。

この2年で、旅に生きたいと常々思うようになった。
ドイツ以外の国にもいってみたい。世界の色々な国で生活したい。そう思うようになった。
バックパッカー的放浪生活も悪くはないのだけど、それよりも、ちゃんと自分の欲求を生業に、生活をしていくほうが理想だ。

思えば、いろいろなものに理想を抱いている。
音楽や演劇、アートといったカルチャーにも、社会や産業の構造にも、他人に対しての距離にも、日本のあり方にも、1つ物事を識れば1つ理想を抱いて、その都度至らない部分にやきもきしているような気がする。
理想に近づくために選んだ方式に飽きて投げ出すことだってしばしばあったけれど、それについては悔いていない。結局、1枚の絵を描くのに、キャンバスがでかいので右端や左端から描いてるようなことなんだと、ポジティブに思うことにした。だから、のぞいては止めてを繰り返した20代を悔いはしないでおこうと思った。

旅に生きたい。芭蕉のように、おばけのように。
様々な風景を味わい続けて生きたい。その中で理想や欲求を検証し続ける人生がいい。
なんとなく、そんなことを思っている。

最近カウボーイビバップを見直しているのだけど、
ああいう奔放だけど生活に軸があるノマドにあこがれる。
飯がないのはいやだけど。

口が日になって田になるように
品が晶になって畾になるように
頭に皺が増えて、日々はひび割れる

おじいさんは
山へ芝刈りに行く振りをして
FX投資に夢中
おばあさんは
川へ洗濯に行く振りをして
ネカフェでアニメみてる
桃を拾う者は誰もいない
水を吸い続けた皮が傷みはじめた

本当なら練馬区あたりで
平穏な冬に凍えながら
肉まんでも食ってる筈が
甘い匂いや、不思議な煌めきや
面白い音楽に惑わされているうちに
銀河鉄道に乗っていたり
異国のトイレでぶっ倒れたり
巨大な桃の中に全裸で監禁されたり
する
愉快か不快かは人によって違う
巨大な桃の中には闇がある
川のせせらぎも聞こえる
外は夜だろうか
あなたはなにを
しているのだろうか

おじいさんは芝を持たずに帰宅
おばあさんの洗濯物は済んでいない
それでも夕食がレトルトではないということが
大事なことだと思う
食卓にあるたわいもない会話の一つ一つが色彩であると思う

結局
巨大な桃はダムに落ちて大怪我
医療保険入っててよかったっすわ
本当なら立川あたりで
平穏な冬の中で
甘栗でも食ってる筈が
引越しの算段でもしている筈が
ダムで大怪我
月見ながら眠るその前に

田代まさしや
山田邦子や
あなたは
いまごろなにを
しているのだろうか
と思う

口が日になって田になるように
品が晶になって畾になるように
頭に皺が増えて、日々はひび割れる
畾って何だ

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