electrongirl

ゆるく、ゆるーくありたいものです

合同会社elegirl代表、岡崎龍夫です。
大学生だった2004年から20年以上つけている思索の記録です。
未来の自分に手紙を書くつもりで書き溜めているため、それほど一般性はありません。

2014年04月

きょうもまた
宵闇が融けていく時間です
いろいろと混濁した事情にかまけて
いろいろと煩雑なことを思う

夜の中で煙草を喫うのが良いのです
体に毒なのは承知だけれど
血流を鎮めるのには手っ取り早い

ふう
と、煙を吐けば
空は若干白む

きょうもまた
きょうもまた
何者にも為れぬ己を
悔やんでいたのか
誇っていたのか
判別らないままに
宵闇が融けていく時間に

夏のにおいをおぼえるのです
月の残像をおもいだすのです






天才数学者、岡潔の思想随筆。

一日100人自殺する国は病理。
人体で言うと細胞が自己壊滅を始めている状態。

自殺率が一番低い国はヨルダンだと言う。
彼らのポリシーはイスラム思想をバックボーンにした「自分が世界の中心」という気性らしい。
自己肯定は確かに自殺を抑止する力だ。

じゃあ、自殺率高い日本なんて棄てて、ヨルダンに引っ越します。イスラム教に帰依します、ということにはならない。どれだけキャリアのある思想でいい感じの内容だとしても、日本で育った日本人の体質に合わない哲学だってある。

日本人は自己否定が強いのか?
僕はその通りだと思う。原因は大企業の多さだとも思う。
大企業のお約束は、収益の効率性を維持するための機械的労働を伴う。東京では、大企業のピラミッドの底辺には思考停止的に働き続ける単純作業の人たちがいる。このカテゴリーの人たちは、まず
「ミスが許されない。その上にミスが頻発する状況」
対応する人や書類の数が圧倒的に多いのだ。そして言葉一つの選び間違いでEUの怒りを買う。
十分とは言えない収入と、精神的にデンジャラスな仕事、その上に非正規雇用だったら最悪だ。世間(まあこれも幻想なんだけど)の白い目。親からの小言。将来への不安。
自己否定する要素は日に日に堆積する。

ベンチャーから大企業になった会社なんかはそこに「進撃の巨人」の訓練みたいな営業スタイルが伴う。大企業はつまり、無数の歯車でそびえ立つ巨大な塔だ。
回転の早すぎる歯車が、ある日装置のなかから吹っ飛ぶように、或いは錆びはじめた歯車が稼働しなくなるように、毎朝電車は止まる。

僕は歯車の止まる音を聞いたことがある。
朝の上野駅のホームだった。10年経っても忘れられないほど怖い音だった。誰かが飛び込んだらしい。騒然とする構内で、凄惨な光景を見た。
その光景を見た数年後、僕は勤め人になって、毎朝ラッシュにもまれて通勤した。毎朝どこかしらの電車が自殺で止まって、その都度いらだったりしながら、自分がその飛び込んだ人をただの歯車としか見ていない点に違和感を感じた。ひとが一人自ら命を絶った。かわいそうな話だ。問題がどこにあったか考える必要がある。それでも車内に蔓延するのは「電車とめやがって、ふざけんなよ」というどす黒い空気と不安感。死んでまで呪われるのだ。
かわいそうだなと思った。
自殺するにもそれなりの事情があるし、通勤に遅刻できないこちらの事情もあるのだ。

僕はサラリーマンのときに「毎朝電車は止まるんだからそれを想定した時刻に出勤しなさい」
たしかにそれなら遅刻は多少防げる。ただ、それ危ないんじゃないか?っていうのもあった。だって自殺率の高いのを基準にしてみんなが話し始めたら、そっから自殺率は下がんない。あがるのみだ。

社畜サラリーマンを肯定してくれるのは趣味の時間だったり、恋人だったり、友人だったりだと思う。じゃあ趣味も恋人も友人もいないような社畜は?金とか宗教にそれをもとめるかもしれない。
じゃあ婚活!結婚してすてきなラブラブタイム!っていって婚活産業が盛り上がる。
婚活産業の盛り上がりは結構だけど、聞いた話ではかなりシステマチックな合コンするってきいた。「男側がベルトコンベアーで話をするためにむこうからくる」
おいおいおいそんなんで始まる恋はねーだろ!って思っちゃう。ていうか休日の時間もそんな機械みたいに扱われたら、自己否定のネタつくるだけだ。

例えば、社長と従業員のコミュニケーション、これまじで大事。社長がそいつに何を期待してるか、従業員の生活に何が足りてて、なにがしんどいのか。会社が法人として対応できることあるか。アンケートとか社長室での面談、そんなんじゃ本音は出てこない気がする。ウイスキーとかやさしい酒をだな、静かなバーで飲み交わすとか、うまいそば屋とかそういう工夫が必要だと思う。

僕は

谷根千にちょいちょいいくんだけど、ここの店の看板や店舗ロゴにはほんといいものが多い。おそらくいい腕のデザイナーが住んでいるんだと思う。

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パン屋明富夢(ATOM)
店舗名もかっこいいが、まさか漢字を全部パン屋の絵で表現するとは思わなかった。これすごいアイデアだと思う。

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間下時計店
このレトロ感と安定感すばらしいです。くるんくるんいってるのも可愛いです。

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蜂とミシン
何を取り扱っているお店か微妙にわかんないけど、素敵。店舗名が小説のタイトルみたいですね。

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電気屋さん
このキャラクターゆるすぎでしょ。ゆるいながらも電機の精霊なんじゃないかって感じもする。看板の下にある「テレホン」もなかなかいいですね。

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美容室
これ写真じゃわかりづらいけど、とにかく女性が髪を切るというのはなにかドラマがあるという幻想を想起させられる。
決別!という感じ。

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パン屋リバティ
個人的には一番好き。色といい、文字のフォントのふっくら感といい、左のかわいいんだかかわいくねーんだかわからないキャラクターの存在感といい、いい感じ過ぎる。

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たんたん
これ一見シンプルに見えるけど、たんたんいうステップを表現してるんだと思います。軽快。んが裏返ってるのもかわいい。そしてなにより他の情報を書き込まない潔さが素敵。

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ひみつ堂
これもいいですね。店名もいいけど、ロゴのかき氷かわいいね。素人がかき氷を描く時、氷の上を塗りがちですが、右半分を塗るって発想はいいですね。

ほかにもいろいろありましたので機会あらば足を運んでみてください。

デザイン事業をころがしはじめてロゴとか名刺とかWEBとか、もっと向き合って見るようになって、余白の大事さをすごく気にするようになった。
デザインの絵においてもそうなんだけど、全部を説明しすぎている広告にあまり惹かれない。ん!?と足をいい感じに止めてしまうところに、歩みや思考に句読点を与えられるところにロゴや名刺やWEBの力が作用している気がしている。


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保育園でこどもがないている
歩き回った人が空を見やる
夕日は電線にからまって
とまった鳥をからすにしていた
そうざい屋の行列で語られるのは
ねびきの話と町のうわさ
駅前の壁によりかかる学生は
恋人がくるのをまっている
女の子がカメラをかまえた空に
あげもののにおいがおどっている
ちんどん屋が演奏をやめたとき
街灯がまたたいて目をさます

踏切の遮断器があがるときに
一番星みつけた
そろそろだれもかれもが
おばけになる時間

東京でカレーができるころ
シドニーは食器を洗うころ
上海もごはんが炊けている
リオデジャネイロはすやすやねむっている

電車のホームから
あの日々を思えば、遠く
そろそろだれもかれもが
おばけになってしまう時間

東京でカレーができるころ
バンコクは買いものをしているころ
ダカールはまだ朝ごはん
ニューヨークはお酒で酔いどれる

ちんどん屋も女の子ももういない
あげもののにおいも夜にきえ
恋人たちは歩いていった
商店街のシャッターは口を閉ざす
鳥たちは闇の向こう側へ
空をみていたひとはおつかれさま
保育園のこどもが泣きつかれたとき
ほら、お母さんが、迎えにきたよ





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