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亡き店の看板デザイン

  • 2015年05月10日
1年ほど前に父から頼まれたロゴデザインはなかなか妙な案件だった。

亡き祖母の実家は戦後の九州でも有数な大きな商店だったという。
今では記録もほとんどないが、父がわずかな資料をどこからか見つけ出した。祖母の話や資料によるとその商店は「まるせ」という店名で、円にひらがなの「せ」が看板だったという。僕への依頼は、要は、その看板のロゴの制作依頼だった。

僕が生まれたときには既に無くなっていたであろうその店のロゴの制作。
「なんじゃそりゃ」とは内心思いつつ、3パターンほど提案を出し、そのうちの1案を制作し渡した。
数回の修正はあったものの、普段作っているようなものと比べると非常にシンプルなロゴになった。

それからしばらくして福岡へ法要に行った。
祖母方の先祖の墓に参る人は少ないのだろう。磨きがいのあるくらい汚れていた。
霊前で僕の作った「まるせ」のロゴを供える父を見つつ、親子での先祖孝行ができたような気になった。

maruse


その店があった当時は、お祭りになると「まるせ」のはっぴを着た人たちが神輿を担いだり音頭をとったりしていたそうだ。実際の看板と差異もあるかもしれないが、少なくとも曽祖父について僕ら親子が想像を補完する糸口になったのだとも思う。できについては未来あの世でコメントしてもらおう。

そんな経験を思うと、過ぎたものであってもデザインなりパッケージを与えるという仕事、これはこれで価値のあることなんだと思う。
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Tatsuo Okazaki

「いい会社」elegirlという会社を経営しています。主たる事業は広告ですが、音楽事業 elegirl labelや演劇制作など、気ままに色々やってます。プロフィール詳細はこちら。デザイナー、DJとしての活動概要はこちら


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