僕は現在、東京の江東区と墨田区の境に住んでいる。

東京の地図・路線図で見ると東の外れということになる。
江戸時代の古地図で見ると、そこは東京ですらなく、江戸の東に広がる「葛飾郡」というエリアの南西の端だ。「東京の外れ」に見えているいつもの町は「東京と地方の窓口」として解釈できることに気づかされる。東京大空襲の標的にされたことからも、やはり重要な意味を持つ街だったんだろうとうかがえる。
毎日あまりに大手町中心の地図を見ている影響で、自分の住む街が片隅に見えていたが、自分が住んでいる街こそが自分の生活の中心であり、軸であることを考えると、今年はもっと江戸川区や千葉方面に足を運んで仕事ができたらいいなと思う。

ということを考えていたら、岡崎藝術座の新作「イスラ!イスラ!イスラ!」のページに「逆さ地図」のことが書かれていた。

http://isla-isla-isla.strikingly.com/blog/a86160d7e7f

日本地図を反転することで、日本海が日本列島と大陸を隔てるものではなく、日本海を中心として環状に結び付けられるという見方がクリアになります。東アジアが連帯できる可能性を感じます。


そういえば、ドイツにいた時なんかは目にする世界地図が違うので、日本は本当に「極東」という位置にあったし、むしろアフリカの存在感を強く感じた。
 地図だけでなく、通貨、定規、天秤、人生設計などいつのまにか凝り固まった尺度を基準に生活をしているわけで、要するに自分の持つスケールの頑丈さは大切だけど物事を様々な定規で視点で測る作業が、面白いんだと思う。そして様々な定規を持つための手段が文化や旅だったりすると思う。

 視点の話。
 視点がずれる瞬間というのは決まって気持ちがいい。なぞなぞを解くためには決まってこの作業が求められる。視点えおずらすことで、凝り固まった巨石のような考えがズズズとずれ、はまるべき場所にすっぽりはまるあの音。電球の点灯。その気持ちよさを知らない人は多いけれど、少なくとも僕はそういう喜びに今年も何度となく立ち会えたらうれしい。提供出来たらうれしい。



あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。