歩いている最中に食らった時は、一旦立ち止まることが必要だ。バランスを崩した状態でもう一歩進むとさらに悪いことになる。時間ならある、焦ることじゃないと言い聞かせる。逸る脚をまずは止める。

たいして脚力もないくせに、視界だって悪いお前が、急いだってろくなことにはならなくて、だから丁寧な生活を心がける時期だと、掃除に洗濯に料理に勉強を、土の中でやる時期だろうと、つーかむしろ一生それやってろよと、そう言い聞かせて呼吸を整えている。

逸り焦るのは不安だからだ。
このところ、スマホの充電が少ない時のように、そわそわしていた。不安や孤独を解消せんと浮足立って、二兎も三兎も追っては、木立に当たりまくって気付いたらいつの間にか怪我だらけになった。

満たされては、いる。
様々な人のサポートとフォローとケアに胴上げされながら暮らしている。今ないものはきっと手に入れるし、それは結晶のように堆積でできる。だからもういい。欲しがるなと、そう言い聞かせてはまた、呼吸を整えている。

無理に元気づけようと肉くいにいったら前歯が折れた。