小学生の男の子が五人くらい横一列に並んで話しながらあるいていた。
 
おそらく小2くらいだろう。おちんろんに発毛も始まっていないようながきんちょどもだ。
子供とは不思議な生き物で奴らは歩きながら段ボール製の紙袋を破こうとしていた。しかし、何層にもコーティングぐされたその袋はなかなか破けない様子だった。
 
「くそう、こうなったら必殺!うんこぶりぶりー」
 
出た。必殺。
しかも意味不明な技名。
しかし侮ってはいけない。この技の名前にはれっきとした理由があるのだ。排泄物が大肥として土に還るのと同じようにこいつを滅し、土に還すのだという、使い手の相手へ向けた執念を感じるネーミングである。
 
そして力を込めて破こうとする。 
しかし、その百戦練麻の技をもってしてもその袋は破けはしなかった。動揺する小学生。その横を別の小学生が地球の周りを回る月のように回転する。
 
「おろろろろー」
 
でた。またしても意味不明な言葉だ。薬物はこんないたいけな小学生たちにも浸透しているのか?許すまじ覚醒剤。

「おろろろろー」どんっ

まるで北嶋マヤのように月の演技をしていた小学生は人にぶつかってしまった。そのぶつかった人というのは
 
俺。
 
行儀の悪い足はちゃんとしつけなくてはいけない。全体重をこめて踏み潰す。
「あぎぎぎぎ!」
また意味不明な言語をはっする小学生。
 
そんな妄想をしていると
「ごめんなさい」と呟くように謝られた。
 
「いいんだよ坊や。もっとも俺がマイケルだったら飛ぶ鳥を落とす勢いで君たちをいたずらしていたけれどね。」
 
という意味を込めて会釈で答える。
 
そしてその横ではまだ紙袋と格闘している小学生。
「必殺!うんこぶりぶりぶりー」 
だからなんなんだよそれ。
 
そして俺にぶつかった小学生は再び
「おろろろろー」と言いながら回転をはじめるのだった。
 
 
邪魔だー!道あけろぼけー!
急いでんじゃあ!