部屋の混沌は心の混沌ということわざを、つくった。意味は読んで字のごとく。

 年始早々いろいろなことがあって正月気分はあっというまにうっちゃられた。
 部屋がちらかったままだ。必要以上におおきなコタツを入れたためアンバランスなことになった。こころはどうだろうか。うまくいかないよもやまを、知る人の訃報を抱えこんで、換え忘れた花瓶の水が濁る。花が痩せる。冷蔵庫の食材がいたむ。凍えて帰ってこたつにはいれば、着替えも忘れてそのまま眠る。均衡はいつか、取り戻せるだろーか。
 
 お気に入りの公園にはしばらく行っていない。その公園に行く途中のきつい傾斜の中腹にはちいさい空き地があって、どうやって運んだのか、動きそうにないクレーン車が置き去りにされている。そのクレーン車の座席からは多摩が一望できる。あの秘密基地にはしばらく行っていない。また行きたいまた行きたいと思っているうちに、何年経ったんだろう。いまじゃ場所もうろだ。今まで生きてきたなかで一番天気がいい冬日に、また行けたならうれしい。
 部屋をかたして、いろいろなけりをつけて、春を迎える準備ができたら、もういちどそこに行ってクレーン車の座席で昼寝とかしよう。撤去されていませんように。