件のセネガル人アブラハムの家にお邪魔した。
ceebu yappという料理をつくってもらった。
肉がのったキーマカレーのような料理で非常においしかった。

ベルリンの物件は安くても広いものが多い。
だからホームパーティーがもりあがる。

ホームパーティでホストは自分の国の料理を振舞って自分の国の音楽をかける。
ゲストサイドはまた別の民族であることが多いので、俺の国ではこうだとか、そういう話で会話が弾む。
つまりベルリンでのホームパーティは文化のシェアという側面を持つ。
これとてもいい感じだと思う。
いろんな民族がそれぞれの土壌を知るためにはもってこいの慣習だなと思う。

知らない国の情報なんて知らないことしかないのだからインスピレーションにつながる。
それについて座にいる民族の数だけ違う視点で検証できるし、共感できるものも多く生まれる。
それじゃあ今度これやろうよとか、また新しい遊びのアイディアに結びつく。
楽しい。

面白いものは食卓で生まれる。
それはほんとうにあるとおもう。
そしてイベントもその延長線上だとおもう。
クラブだろうが、展示だろうが。

なので「こんにちは」と「ありがとう」と「おいしい」は本当にたくさん知っておいて損はない。
いい言葉だ。
街はサッカーの勝利に歓喜して、そこいらじゅうで爆竹が鳴ってる
テレビでは知らない国のテロのニュース
食卓には暖かい食事と花もある

明日の夜は近くでお祭りがあるという
アフリカではアルビノが殺されているという
レゲエシンガーが大臣になったという
明日の天気はそんなによくないという

街はサッカーの勝利に歓喜して、そこいらじゅうで誰かが歌っている
時間を感じないようにさせるその術を、時間自身は心得ていて
いつの間にかもう夜も更けた、風は夏の湿度と匂いだ
夜の星が川面に写り、街灯の光と波紋に揺れる
すこしだけあのひとの面影を思い出す