鴨田潤(イルリメ) “トリミング” - YouTube


だから それは
滅多に見せない仕草 絶対使わない言い草
一回だけちらつかせた きっと何時も隠して来た
「失敗したく無いから・・・」と 指先で空に書いたけど
反対から読む私は、裏に希望有る証拠でしょ、と
喉まで出たから風に任せ
あなたの片方の肩の臆病を弾こうと
揺さぶって突っついて押し出せば
落ち着いて此方には振り向かず気を取られ
たらたらと道草を食いながら上向きで 歩いていける

さっきまで引きずっていた爪先が草を跨ぐ
赤く腫れた目蓋の中が青く晴れた空を見つめ
「泣いて無いです。」と、言ったから
緩んで潤んだ水面は最後の滴が静かに落ち
蒸気となって雲に交わる
常に胸に秘めていた 既に蓋を閉じていた
輪郭線だけの風景画
運命が自然と色を灯す
強気の瞬きが次々と景色のコマを進めていく

見せておきたい景色がずっと 募って
写真じゃ切り取り切れないから
話せば白々しくなるから
連れて行きたい気持ちになります

直ぐにも影響受けやすくて 気付けばコロコロと変わって
一人で部屋で演じている 外では着れぬ服を着ている
些細な振る舞いから勝手に自分の潮時を読み取り
記憶に居られなくなって切られる前に逃げていく
転々と人の波を移り住む居候は 外から新鮮な空気を与えるのは当然だが
年輪を増やそうとせず 落ち着かず、落ち着かせず
押したり引いたりを繰り返し
常に駈け引きを求める割りに
割の合わない年輪 大きな世話で付いて回る
恐る恐る腰を下ろす だけども支えている片腕
是で、是で最後かと 是で、是で最後かもと
脅しは体に告げている
だけども支えている片腕を
見てられない人がいて 見慣れてる人がいて
見破っている人がいて 見送っている人がいる
囁き秘めると甘くなるから、だから成るべく吐き出して
何時しか感受の強さに耐えられなく成る前に

見せておきたい景色がずっと募って
写真じゃ切り取り切れないから
話せば白々しくなるから
連れて行きたい気持ちになります